ファッション誌に関しては、日本人でもイギリス人でも、掲載されている服を買うという予定がなくても眺める習慣があります。しかし、旅行雑誌に対する態度は、日本とイギリスでは大きく異なります。イギリス人は、ファッション誌を眺めるように旅行雑誌を見て楽しみます。まずはそこからで、実際に旅行に行くかどうかとはあまり関係がないのです。行き先や旅のスタイルにも流行があるし、ファッションと同じく日常的に旅行に関心を抱いているからです。余談になりますが、産業地域研究所編『20代若者の消費異変』(2007年調査実施)によると、日本人の20代の70%が、自由に使えるお金をまず衣料品に使うと回答。この70%という数字は世界ダントツであり、少し異常だと言えます。また、UBSが3年ごとに発表しているレポートによると、2006年の東京の時給をビッグマックの個数で換算すると、東京は6個、ロンドンは3.8個、世界で最も平均時給の高いコペンハーゲンでは3.3個になります。したがって、日本は物価がそれほど高くなく、比較的可処分所得も高いと言えるのにもかかわらず、趣味のためのお金を見た目に関するものばかりに使って旅行は二の次というのでは、いつまで経っても経験値や国際感覚は上がりません。それは、今の日本人が自分の内面の問題と向き合うことを避けているとも言えるのではないでしょうか。海外から来たゲイの友人が東京をはじめて見て、「なんでゲイばかりがいるのだ」と若き日本男児のファッション性に狂喜していたことがありますが、日本の男子はいまや世界的にそう見えるのでしょう。いかに日本人の関心が、ファッションに偏っているのかがよく分かります。ファッションに限らず、今の日本には、見た目重視、デザイン重視、さらには分かりやすさ重視の傾向がありますが、これは将来的に日本の国際競争力に深刻な影響を及ぼすことは明らかでしょう。
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