湧水を巡る

2012.01.07

湧水は下流や河口と対照的な存在であるはずだ。しかし、湧水には、深山の渓流や、田園の小川とはまた違ったニュアンスがあって、なぜか神秘的だ。ことに、規模の大きな湧水群では、水が澄んでいる、美しい、冷たい、といった科学的尺度を超えたところに深遠な魅力があるようだ。脱線するが、洋釣りの世界では、湧水の川は、スプリング−クリークと呼ばれ、そこでのフライフィッシングは、たとえばマウンテン−ストリームと呼ばれる山岳渓流よりも一般には難易度が高いとされる。

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湧水は1年を通じて温度変化が少なく、そのために水生昆虫などの生物層も豊かである。そのため、棲息する鱒も好む餌を選んで捕食する傾向が強く、ぴったり合った蚊針を投げないと、鱒は反応してくれない。そういう湧水の川は、深く、冷たく、音もなく静かに流れる。首都圏に比較的近いエリア言うと、山梨県の忍野村はそういう湧水の宝庫だ。忍野八海というきわめつけの湧水名所はさすかに観光化が著しく、スローなサイクリングにはちょっとどうかという面もあるが、それ以外にも湧水があり、湧水が流れ込む桂川もなかなか良い風情なので、山中湖のサイクリングロードを訪れる際に立ち寄ってみるといいだろう。桂川そのものは、山中湖から流れ出す河川ではあるけれど。