京都旅の帰途。JR京都駅。新幹線、東京行きのプラットホーム。両手に持ちきれないほどの紙袋はきっとお土産なのだろう。足許に置かれた紙袋がずっしりと重そうだ。「京漬物」、「京のお菓子」、袋にも「京」の字が躍っている。お取り寄せ全盛の現代でも、この辺りは、伊勢参りの頃からあまり変っていない。疲れ切って列車を待つのは誰もが皆同じ。早く乗って座りたい、と心待ちにして列車が来る大阪方向を覗き込む。ようやく入線
持ちきれないお土産を手に帰途に... の続きを読む
下品極まりないボクサーを天才であるかのように持ち上げ、増長などという言葉では済まされないほどに本人を付け上がらせ、しかし一旦弱みを見せたら最後、今度は徹底的に叩く。それでもまだ、視聴率が取れると見たのだろう、相も変わらずブラウン管に姿を現し続ける。ここには多くマスメディアの責任があることは明白だが、付和雷同、「多数に付く」、「勝ち馬に乗る」―今の日本の習わしはあまりにもなさけない。しかし、これが今
或る日突然「京都叩き」!?... の続きを読む
地産地消、或いは身上不二。身近にある食材を食生活の基盤として、時間をかけて調理する手間を惜しまない。京都は平安の都からずっと、スローライフを実践してきた。「おばんざい」と呼ばれる料理がその典型だが、海から遠く、海産物に恵まれなかった京都は、すぐ傍の畑で穫れる野菜と、保存の利く干物を合わせて作る料理を主体とした食生活をずっと続けてきた。例えば、おばんざいの代表ともいえる「いもぼう」。この料理を作るに
「スロー」を地でいくおばんざい... の続きを読む
十六日、水曜日。プロムナードデッキに出てスケッチをする。この船はプロムナードデッキが広いので気持ちが良い。青い海と変化する雲が絵心を誘う。隣りのデッキチェアに座っているおばあさんから話しかけられる。こうしていると外国客船で船旅をしている実感が出てきてたのしくなる。午後三時よりオンディーヌルームで船旅についての講演をする。講演というより談話会である。初老の夫婦、あるいは独身者、若い船好きの青年、中年
プロムナードデッキに出てスケッチをする... の続きを読む
青年の船だったので洋上で研修するには海の上を走っている日がたくさんある方が都合が良いかもしれない。ロイヤルヴァイキングラインが最近東洋水域で活躍している。私は香港から乗ってバンコクの郊外パタヤビーチに錨を入れ、そのあとシンガポールまで行ったことがある。日本から香港、シンガポールから日本へは航空機利用で全行程八日間、なかなか快適な船旅だった。同社のスケジュールを見てちょっと行ってみたいなと思うコース
青年の船... の続きを読む
湧水は下流や河口と対照的な存在であるはずだ。しかし、湧水には、深山の渓流や、田園の小川とはまた違ったニュアンスがあって、なぜか神秘的だ。ことに、規模の大きな湧水群では、水が澄んでいる、美しい、冷たい、といった科学的尺度を超えたところに深遠な魅力があるようだ。脱線するが、洋釣りの世界では、湧水の川は、スプリング−クリークと呼ばれ、そこでのフライフィッシングは、たとえばマウンテン−ストリームと呼ばれる
湧水を巡る... の続きを読む
神仏の話の次に何だけれど、自転車という乗り物は何かに行き当たる可能性がとても高い。車だったら素通りしてしまうようなところで、気軽に立ち止まることができるのもその理由のひとつだろうが、そういう縁に導かれることが多いというのも事実ではなかろうか。予期しないちょっとした村のお祭りや、小さな野外音楽コンサートなどに思いがけず出会うのもスローなサイクリングの特権だ。私たち夫婦も、とある夏祭りの余興のジャズバ
気軽に止まれる自転車だが盗難には注意を... の続きを読む
街中のビジネスホテルで温泉に入れるとテレビで知って、家族旅行をしました。娘が夏休みのときにのんびり温泉に入ろう!と数ヶ月前に予約を入れました。そのビジネスホテルは、ターミナル駅の前にあって便利がいいうえに、温泉にタダで入れるため人気が高いそうです。予約を早く入れないとなかなか空きがないようでした。その日は久しぶりの旅行とあって、朝からワクワクでした。早くチェックインの時刻にならないか待ち遠しかった
ビジネスホテルで温泉に入った家族旅行... の続きを読む
直径約10センチの白いまんじゅうに、食紅で「の」の字を書いているので、「のうまんじゅう」と呼ばれている。ちなみに「の」の字は「のし」の意味があり、お祝い事や神様にお願い事がある人が買っていくという。もちろん、拝みと関係なく単にのうまんじゅうが好きだからと買っていく人も多い。こちらもサンニンの上で蒸し、皮はふんわりふっくらとしながらもムッチリ。かすかなしょっぱさがあり、中の粒あんとの甘さのバランスが
中の粒あんとの甘さのバランスが絶妙... の続きを読む
「ゴーヤーチャンプルー」を「ゴーヤーイリチー」と称してもいいのかと質問すると、それは違うという。「お祝いの料理で炒め物はイリチー」と答えた人もいたが、いまひとつ説得力がない。「チャンプルー」は俗に「ごちゃまぜ」ともいわれるから、食品目数が多いものがチャンプルーで、少ないものが「イリチー」ではないかとも考えてみた。だが、クーブイリチーの食品目数は前述した4種類。それに対してゴーヤーチャンプルーはゴー
「炒り煮」だった... の続きを読む